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「雨は嫌い…」 雨が降るたびに 苦虫を潰したように僕が吐き出すコトバ。 濡れるし冷たい。澱んだ空に憂鬱な気持ちになる… 嫌いな理由は山ほどある。 「雨は 好き…」 雨が降るたびにキミが 微笑みながら呟くコトバ。 お気に入りの傘をさす。雨模様のしっとりとした景色がいい…好きな理由はたくさんあるよ。 雨は嫌いでも、そう呟くキミの笑顔を見るのは 好きだった。 そんなキミと一緒にいたから 僕も雨を好きになったことが、幾つかある。 お気に入りの傘を二人で寄り添いながらさして歩いた帰り道。 二人で大きな水溜まりにダイブしてはしゃいだこと。 雨の日は 決まって僕の部屋で二人過ごした穏やかな時間。 「…雨も 悪くないな。」 そう呟く僕にキミは優しく笑いかけてくれた。 「さようなら…」 キミがそう僕に告げた日も雨だった。 傘もささず濡れるがままの僕は作り笑いで「あぁ…」と言うのがやっとだった。 「泣いてるの?…」 「…雨だよ。。」 と精一杯の強がり。 「もぉ行くね…。」 振り返らずに去っていくキミの姿が小さく霞む。 こぼれる涙を堪えて空を見た。変わらず降り注ぐ雨が顔を濡らしてく… そして、雨に心を委ねた時、涙が流れた。頬を伝う雫が雨なのか 涙なのか わからなくなっていた。。 ただ、雨が哀しみを洗い流してくれてる気がした。 「雨で よかった…」 「雨は 好き…」 窓の向こうの雨を眺め、僕は呟く。 今も キミは 雨が好きですか?… end...
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