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「…それはまた…ありがた迷惑…ですね」
再起動したかと思えば
また壊される宣告をされるノアはため息をついた
「うん。だろうな」
カノンは悪びれもなくあいずちをうつ
「……なんで、ノアが壊されなければならないのよ」
しばらく黙っていた百合が口を開いた
その声には怒気が含まれている
「このこは望まれてうまれたの!誰にも壊す権利なんてないわ」
百合はカノンを睨みながら叫ぶ
「くくっ…」
カノンは百合に責められるように言われているというのに気分を悪くするどころか笑い始めた
「何故笑うのですか?」
ノアは笑い始めたカノンに問いかける
しかし、なんとなく笑う理由はわかっていた
百合はシアの祖父の助手を務めていた
優秀な技術と知性をもっていてヒューマアンドロイド製作に携わっていた彼女はノアとアイズからすれば母親とも呼べる
「まぁそうだな。すごいと称賛されたかつてのドールを廃棄…母親という立場にある百合さんには耐え難いもの。しかし勘違いをされては困るなぁ…人間が君を狙ってる訳じゃない」
含みのある言い方をするカノンに疑問が生まれる
「別のヒューマアンドロイドが狙っていると?…しかし私を狙った方は血が出ましたよ」
そう。確かに闇に落ちる前に致命傷を与えた
赤い血が大量に流れていたのを覚えている
「トランプでも血は出る。」
「…意味がわかりません」
ノアの説明を求める声にカノンは顎に手をそえて考える
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