第一話~春風と共に~

2/22
前へ
/182ページ
次へ
季節は春。 様々な生命が芽吹く季節。 そして人もまた新しく環境が変わり、新しく加わる季節。 桜の花が風に追い立てられて舞う美しい光景のここは、 《ヴァルド王立魔法学園》 この世界の国の中で最も優秀だと言われる学園。 今年で建設800年にもなる歴史がある。 この学園は12才から20才までの少年少女が、 『魔法』と『能力〈パワー〉』を学ぶための学園である。 この学園には学生寮が存在し、12才から20才までの学生はその寮で生活を強いられている。 他にも、 魔法訓練所や魔法闘技場などがあり、魔法薬の調合に必要な植物が生えている森がある。 そんな学園に入学するのには、それなりの学力と身体能力の備わった者でなければ入学は難しい。 そのため、貴族、平民関係なく優秀な生徒が揃っている。 言うなれば、真面目でエリートがあつまる学園なのである。 そんな学園の教育方針は 『清く、真面目に、雄大に。』 を方針として掲げている。 しかし、その方針に背く少年が一人。 学園の定める昼休みまであと小一時間という程の。 太陽が真上に昇る頃。
/182ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加