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そんな時間に学園の屋上にいた。
その少年は、背中まである長く真っ赤な髪をおさげにしている小柄で気の強そうな少女といた。
「なぁ、カリン。お前さぁ、こんなところで油売ってていいわけ?
授業中じゃないの?」
「いいわけないでしょッ!!
一体誰のおかげでアタシがココにいると思ってるの?」
「さぁ…誰だ?」
「アンタよッ!!ア・ン・タ。
アンタのためにわざわざこんなとこにきてやってるんじゃないッ!!
ほら、早く行くわよ。
先生に怒られちゃうじゃない。」
カリンと呼ばれた少女は目を吊り上げながら続けた。
「まったく、いくら学年トップだからって調子に乗ってるんじゃないわよ。」
「んなこと言われてもなぁ………わかった。
じゃあ、あと5分待って。」
「何よ、その5分って?」
「うん…えぇと、風を感じたいんだ。」
ブチッ
「暴走族入れッ!!
そんな下らない理由でハイそうですかってなると思ってんの?
早く行くわよッ!!」
「フガァッ」
カリンはその少年の首を片手で掴み、
そのまま少年を連れていく。
「わっ、ちょ、おぃ、引っ張んなよ。首とかマジでヤバイから。し、死ぬ…。」
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