第一話~春風と共に~

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少年がカリンに首を掴まれつつ移動すること数分。 『ガララ』 カリンが教室のドアを開けると、 そこには、スラッと背が高く、ウェーブのかかった綺麗な赤毛の髪を肩まで伸ばし、丸渕眼鏡をした男が 黒板の前に立ち、解説をしている授業中の光景が広がっていた。 「先生、屋上でサボってたリーエフを連れてきました。」 とカリンが言った。 リーエフと呼ばれた少年は少し機嫌が悪そうに、そして気怠るそうにして黙っていた。 「おや、やっときましたか。リーエフ・アズニア君。 カリン・フォードさん、ご苦労様でした。 いつもありがとうございます。」 と教師はカリンに笑顔を向けて言った。 そして、 「リーエフ・アズニア君、授業が終わったらキミはあとで私の部屋へきなさい。」 リーエフに目の笑っていない笑顔を向けていた。 「う、うっす。」 リーエフはその笑顔の裏に恐ろしさを見たのか、 少し怯えつつ返事を返した。 「では、授業を再開します。」 そして教師は授業をし始めた。
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