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少年がカリンに首を掴まれつつ移動すること数分。
『ガララ』
カリンが教室のドアを開けると、
そこには、スラッと背が高く、ウェーブのかかった綺麗な赤毛の髪を肩まで伸ばし、丸渕眼鏡をした男が
黒板の前に立ち、解説をしている授業中の光景が広がっていた。
「先生、屋上でサボってたリーエフを連れてきました。」
とカリンが言った。
リーエフと呼ばれた少年は少し機嫌が悪そうに、そして気怠るそうにして黙っていた。
「おや、やっときましたか。リーエフ・アズニア君。
カリン・フォードさん、ご苦労様でした。
いつもありがとうございます。」
と教師はカリンに笑顔を向けて言った。
そして、
「リーエフ・アズニア君、授業が終わったらキミはあとで私の部屋へきなさい。」
リーエフに目の笑っていない笑顔を向けていた。
「う、うっす。」
リーエフはその笑顔の裏に恐ろしさを見たのか、
少し怯えつつ返事を返した。
「では、授業を再開します。」
そして教師は授業をし始めた。
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