21人が本棚に入れています
本棚に追加
黒髪の少年はフッと笑みを見せ銀髪の少年に微笑む。
「いやだよ!一緒に行こうよッ!」
銀髪の少年は黒い穴を出ようとしたが、見えない壁に阻まれてしまい出れない。
そんな少年の思いとは裏腹に黒い穴は徐々に閉じていき、僅か小さな隙間があるだけであった。
そして、その小さな隙間から小さな白い玉が放たれ、銀髪の少年の前でフワフワと浮遊している。
浮かんでいるその白い玉から黒髪の少年の声が聞こえる。
――――『お前』は今、何を思っている?
憎しみか?
怒りか?
それとも…
絶望か?
そんなもん忘れちまえ。
お前にはこれからもっと良いことがきっとあるからよ!!
なぁ二人で約束しようぜ。
居場所を探そう。
『お前』は見つけられそうか?
もし、見つけられたなら今度は離されないようにな。
互いにちゃんと居場所を見つけられたらさ、
確認するためによ
また会おうぜ――――
そこで声は終わり、白い玉はフワフワと浮かんでいる。
少年は先程の穴があった所を見るが、完全に塞がってしまっていた。
銀髪の少年は泣くこともせず、ただ黙っていた。
そして、白い玉に触れる。
その白い玉は触れた途端に辺りを一瞬にして真っ白な空間にした。
少年もその『白』に包まれた。
最初のコメントを投稿しよう!