第零話~プロローグ~

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黒髪の少年はフッと笑みを見せ銀髪の少年に微笑む。 「いやだよ!一緒に行こうよッ!」 銀髪の少年は黒い穴を出ようとしたが、見えない壁に阻まれてしまい出れない。 そんな少年の思いとは裏腹に黒い穴は徐々に閉じていき、僅か小さな隙間があるだけであった。 そして、その小さな隙間から小さな白い玉が放たれ、銀髪の少年の前でフワフワと浮遊している。 浮かんでいるその白い玉から黒髪の少年の声が聞こえる。 ――――『お前』は今、何を思っている? 憎しみか? 怒りか? それとも… 絶望か? そんなもん忘れちまえ。 お前にはこれからもっと良いことがきっとあるからよ!! なぁ二人で約束しようぜ。 居場所を探そう。 『お前』は見つけられそうか? もし、見つけられたなら今度は離されないようにな。 互いにちゃんと居場所を見つけられたらさ、 確認するためによ また会おうぜ―――― そこで声は終わり、白い玉はフワフワと浮かんでいる。 少年は先程の穴があった所を見るが、完全に塞がってしまっていた。 銀髪の少年は泣くこともせず、ただ黙っていた。 そして、白い玉に触れる。 その白い玉は触れた途端に辺りを一瞬にして真っ白な空間にした。 少年もその『白』に包まれた。
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