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俺は始めから一匹猫だった。
親の記憶もない。
気がついたら俺は、薄汚れた野良猫だった。
『お母さん、この猫ちゃん飼っていい?』
ある雨の日、俺は人間の子供に拾われた。
そして生まれて始めて、人間の家の中に入った。
妙な臭いはするし、何ともムズがゆく、居心地の悪い所だった。
いくらでも逃げ出せたが、外で雨に濡れるのも嫌だったので、そこに留まる事にした。
その日から俺は、その家の飼い猫になった。
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