$未来少女$

5/10
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
【ミウ】 「それでは、さっそく出掛けましょう!」 【ハル】 「え!いきなり?」 【ミウ】 「はい。何か問題でもありますか?」 【ハル】 「まだ目的とか聞いてないんだけど…」 【ミウ】 「あ!そうでした!」 ずっとカウンター越しに話していた俺は、近くのテーブルに移った。 【ミウ】 「よいしょっと」 【ハル】 「何か飲む?」 【ミウ】 「あ、大丈夫です!それで目的でしたね」 【ハル】 「うん。未来の俺は何を考えてミウを過去へと行かせたの?」 【ミウ】 「え~とですね…簡単に言うと、私じゃいけないんです…」 【ハル】 「え?」 ミウはさっきまでの笑顔は消え、何やら深刻な表情になっていた。 【ミウ】 「いえ、“簡単に言えば”ですので」 【ハル】 「……それで?俺は何をすればいい?」 【ミウ】 「旅です」 【ハル】 「旅?」 【ミウ】 「はい、旅です」 椅子に座っているミウは、暇になった足をぶらぶらさせながら言った。 【ハル】 「俺はてっきり、魔王とかを倒せー、とか言われるかと思ってたけど」 【ミウ】 「そんな無理は言いませんよ~」 【ハル】 「そっか。で、旅ってどこに?」 【ミウ】 「特に目的地はありませんよ~?とりあえず最初は、この村から一番近い街へ行きたいと思ってますです!」  【厳つい声】 「てゆーと、ヤッゼか?」 後ろからいきなり厳つい声が聞こえたと思ったら、肩を思い切りバンバンと叩かれた。 【厳つい声の男】 「ハル!ついにお前もここを発つのか」 【ハル】 「おやっさん!…いつからここに」 俺の肩を叩いたのは、道具屋の主のおやっさんだった。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!