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【ミウ】
「それでは、さっそく出掛けましょう!」
【ハル】
「え!いきなり?」
【ミウ】
「はい。何か問題でもありますか?」
【ハル】
「まだ目的とか聞いてないんだけど…」
【ミウ】
「あ!そうでした!」
ずっとカウンター越しに話していた俺は、近くのテーブルに移った。
【ミウ】
「よいしょっと」
【ハル】
「何か飲む?」
【ミウ】
「あ、大丈夫です!それで目的でしたね」
【ハル】
「うん。未来の俺は何を考えてミウを過去へと行かせたの?」
【ミウ】
「え~とですね…簡単に言うと、私じゃいけないんです…」
【ハル】
「え?」
ミウはさっきまでの笑顔は消え、何やら深刻な表情になっていた。
【ミウ】
「いえ、“簡単に言えば”ですので」
【ハル】
「……それで?俺は何をすればいい?」
【ミウ】
「旅です」
【ハル】
「旅?」
【ミウ】
「はい、旅です」
椅子に座っているミウは、暇になった足をぶらぶらさせながら言った。
【ハル】
「俺はてっきり、魔王とかを倒せー、とか言われるかと思ってたけど」
【ミウ】
「そんな無理は言いませんよ~」
【ハル】
「そっか。で、旅ってどこに?」
【ミウ】
「特に目的地はありませんよ~?とりあえず最初は、この村から一番近い街へ行きたいと思ってますです!」
【厳つい声】
「てゆーと、ヤッゼか?」
後ろからいきなり厳つい声が聞こえたと思ったら、肩を思い切りバンバンと叩かれた。
【厳つい声の男】
「ハル!ついにお前もここを発つのか」
【ハル】
「おやっさん!…いつからここに」
俺の肩を叩いたのは、道具屋の主のおやっさんだった。
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