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【オヤジ】
「話しは聞かせてもらったぜ」
【ハル】
「は、話しって?」
まさか、ミウが俺の娘だって話しか?
【オヤジ】
「お前もやっと旅立ちか!」
【ハル】
「…ああ、その話し」
【オヤジ】
「なんだぁ?」
【ハル】
「い、いえ…なんにも…」
とりあえずめんどくさくので、ミウの事は黙っていた。
【ミウ】
「ハ~ル~…」
そんな中、ミウが俺に聞いて来た。
【ハル】
「ん?」
【ミウ】
「この人誰ですの?」
【オヤジ】
「おい!嬢ちゃん!」
【ミウ】
「ひゃう!?」
【オヤジ】
「はっはっは!そう驚くな!俺はこの道具屋をやってる、ただのオヤジだ。ところで、何か買ってくれたんだろうな?」
【ミウ】
「あわわわわ!」
オヤジが少女に迫り寄ってると言う、奇妙かつ危ない光景が、目の前で繰り広げられている。
【ハル】
「ちょっと待てよ。そいつは俺の客だ」
【オヤジ】
「あん?お前の客だと?」
【ハル】
「あ、あぁ。俺に会うために来たんだって」
【オヤジ】
「お前ら知り合いか?」
【ハル】
「俺の妹だってさ」
【オヤジ】
「妹だあ?」
【ハル】
「な!」
【ミウ】
「そ、そうなのです!生き別れたお兄ちゃんを探しに来たのです!」
ミウは慌てながらも話しを合わせてくれた。
【オヤジ】
「いや、生き別れたってよ─」
【ハル】
「とにかく!俺の妹なの!んで、えーと…ヤッゼだっけ?俺はそこに行くから」
ここの村人にはさすがに苦しい嘘か?
【オヤジ】
「妹ねぇ…まぁいい。お前がそう言うならそうなんだろうよ」
そう言うと、おやっさんは店の奥へと消えて行った。
そこに、小声で話し掛けてきたミウ。
【ミウ】
「本当に信じているのですか?」
【ハル】
「さぁ?けどま、ここの村人の人達は信頼できる人だ。たとえ本当の事を知っても、特にどうと言う事ないさ。むしろ自分たちの子供も同然の俺の子供なんて知ったら、村中が手を上げて喜ぶんじゃないか?」
【ミウ】
「はぅ…そうなのですか?」
【ハル】
「さて、どうだか」
【オヤジ】
「おい、何をこそこそ話している!」
そんな事を話していたら、おやっさんが奥から戻って来ていた。
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