$未来少女$

7/10

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
【ハル】 「これからどうするかって話しをね」 【ミウ】 「で、です!」 【オヤジ】 「まぁいい。…ほらよ!旅立ち祝いだ」 【ハル】 「ん?け、剣!?」 おやっさんは俺に1本の剣を渡した。 【オヤジ】 「外には魔物がうようよいやがる。多少の剣術の心得はあるだろ?」 【ハル】 「多少って…所詮子供のチャンバラレベルだぞ…」 村の子供達相手のチャンバラや、剣道を少しやっていたが、もちろん真剣を振った事はない。 【オヤジ】 「ま、ヤッゼまでならそれだけできれば十分だ。安物だが贅沢は言うなよ?それと、これは今日の店番代だ」 【ミウ】 「うゆ?」 【ハル】 「……なぜミウに?」 【オヤジ】 「お前に渡したら無駄遣いしちまうからだ。こっちの嬢ちゃんに預かっててもらえ!」 おやっさんは、バイト代の入った袋をミウに渡した。 【ハル】 「……別にいいけどさ」 【ミウ】 「あう!あわわ!ハル~!」 【ハル】 「あーはいはい、ちゃんと預かっててくれ」 【ミウ】 「わ、わかったです!」 【オヤジ】 「ははは!とりあえず今日はしっかり休んで行け」 【ハル】 「うん。そうするよ。ミウ、それでいい?」 【ミウ】 「は、はい!大丈夫です!」 【ハル】 「そんじゃ帰るか」 【オヤジ】 「おう、お疲れ!」 俺はミウを連れて道具屋を出て家に向かった。 【ハル】 「まぁ、少し狭いけどくつろいで」 【ミウ】 「ふぁ~い……」 【ハル】 「もう寝るか?」 【ミウ】 「大丈夫…です~」 自分の家に着いた所、時間的にはまだ早い気もするがミウは眠そうだった。 一度にいろいろ説明したり、時空間移動は意外と疲れる物なのかも知れない。 ミウはまだ小さい。年にして10歳くらいだろうか? こんな子供を1人で行かせるなんて、我ながら何を考えていたのだろうか… 【ミウ】 「お父さん…」 【ハル】 「だから、お父さんと…って、寝言か」 【ミウ】 「お父さん…ミウ、がんばるからね…がんばって役目を果たすからね…」 【ハル】 「…っ……」 俺はミウを背負ってベッドへと寝かせた。 【ハル】 「くっ!」 外に出ると、空は暗くなっていた。 そこで俺は自分の頬を殴り、悔やんだ… 【ハル】 「なんだよ役目って…なんで…ミウは泣いてんだよっ…」 親が恋しくなり泣いた…と言う感じではなかった。 【ハル】 「あんな小さな子に、何をやらせるつもりなんだよっ!」 初めて会った時からずっと明るかったミウ。 暗い表情さえしたものの、決して泣かなかった子が“何か”を思って涙を流した。 【ハル】 「クソッ!」
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加