$未来少女$

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【厳つい声】 「明日旅立ちだってのに、こんな夜風に吹かれてたら風邪引くぜ?」 【ハル】 「…ほっといてくれ。それに、俺はそんなやわじゃない」 【オヤジ】 「そうだったなぁ。お前が風邪引いた所なんて見たことねぇ。馬鹿は風邪を引かねぇとは、よく言ったもんだな!ははは!」 【ハル】 「………」 【オヤジ】 「まぁよ、お前が何で悩んでるかは知らねぇし、知りたくもねぇ。だがよ、1人で悩んでるより他人に話した方が楽になるって事もあるんだ。そりゃ俺は頼りねぇかもしれねぇがなぁ!はっはっは!」 【ハル】 「おやっさん…」 【オヤジ】 「風も強くなってきたな。そろそろ戻るか」 【ハル】 「…今はまだ話せない」 【オヤジ】 「んあ?」 【ハル】 「俺自身もまだ整理がついてないんだ」 道具屋のおやっさんは背中を向けたまま話しを聞いている。 【オヤジ】 「………」 【ハル】 「今は話せないけど、全部…俺のやるべき事が全て終わったら話すから!」 【オヤジ】 「ああそうかい」 【ハル】 「ごめん…」 【オヤジ】 「ハル!」 おやっさんの声に一瞬体がビクッとなった。 【オヤジ】 「お前の帰る場所はここだ!全て終わったらいつでも帰って来い!ただ途中で帰って来る事は許さん!」 【ハル】 「………」 【オヤジ】 「帰って来たら話しを聞いてやるから好きなだけ話せ。だからよ…絶対に生きて帰れ」 【ハル】 「聞いてやるって…」 【オヤジ】 「はっ!長話をし過ぎたな。じゃあな、風邪引くなよ」 【ハル】 「もう嫌ってくらい話してやるからな!覚悟しとけよ!」 【オヤジ】 「はっはっは!」 俺は豪快に笑いながら去って行くおやっさんに、頭を下げた。
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