宇宙の要求

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もうひとりの宇宙人がうなずく。 「うむ。しかし科学を発達させるだけの知能はあった。完全に、馬鹿というわけでもない。うまくいけば我々と友好関係を結び、利益になることだって」 「要求をしたかいがあった。三日間だけチャンスを与えたかいが。我々が本当の意味で望んでいる通りになった。それ以外なら、全滅させるしかなかったのに。人を差し出されても」人間たちを振り返る。 「自己犠牲精神の持ち主ばかり。移住先の星で、争いごとを起こす心配もない。平和な世界を作りあげてくれるはず。今回の件も、教訓にして」 「そうだな。この者たちに期待しよう。そして、その子孫たちに……」 【了】
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