宇宙の要求

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翌日、その国の大統領が電話で命令を下す。 「やれ」 ボタンが押されると、基地からミサイルが上がった。物凄いスピード。円盤めがけ、一直線。 が、その当の円盤はミサイルが近付いても避ける気配すらない。 避けようとしたところで、追撃機能も搭載しているのだが。 そして、ものの見事に命中。真ん中で爆音がとどろく。もうもうたる煙。 やったか、と誰もが目を凝らす。煙が、薄まっていく。 中から、元の位置に円盤が現れた。どれもこれも無傷。 ある一機からは緑色の光線が発射される。大統領の国の基地へ。 たちまち巨大な穴があいた。あとには何も残っていない。 消し去る、という表現がピッタリ。 円盤からは声。 「ムダな抵抗はするな。素直に人を差し出せ。期限はあと二日」 圧倒的な力の差。なすすべもない。科学力が違い過ぎる。 戦ったところで、犬死にするだけ。 ふたたび会議が開かれる。 「どうすればよいのだ。時間は、わずかしかない。奴らの弱点をさぐるのも、新しい兵器を開発するも不可能。要求を飲むしか、ないのか」
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