エピソード1

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「知ってる。」 いつまでも笑い続ける瑞貴に溜息しか出てこない。 「なんか用事があったんじゃないの?」 私の言葉に笑いを止めた瑞貴。 「凛と何を話してたんだ?」 瑞貴がメッシュの入った茶色い髪を鬱陶しそうにかきあげた。 「髪、切れば?」 凛との会話の内容を話したくない私はそれとなく話題を変えた。 「なんで?」 「鬱陶しくない?」 「別に、お前の方が髪、長いじゃん。」 瑞貴が私の胸の下まである髪を指差した。 「私はいいの。似合ってるんだから。」 「じゃあ、俺も似合ってるからいいじゃん。」 瑞貴は自信たっぷりに言い放った。
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