エピソード1

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人見知りで短気の私には絶対に務まるわけがない。 「大丈夫だよ。別にそこで指名取れっていうんじゃないんだから。ヘルプでいいんだし。」 「・・ヘルプ・・・。」 「先輩にちょうど頼まれてたんだよね。『ヘルプで使える若くて見た目の良い女の子紹介してくれ』って。綾ならAランクだと思うよ。」 「Aランク?」 「そうお店の女の子にランクをつけてんの。AからDまでランクがあってAが最高ランクなの。」 「なに?それ・・・。」 なんか女をバカにしてんじゃないの!? ステーキ用の肉じゃないんだから・・・。 「ちょっと失礼な話だけど・・・。仕方ないのよ。この業界も厳しいし、そのくらいしないと客が集まらないんだって。」 しみじみと飲み屋の実情を語る凛。 今の凛がどうしてもタメに見えない・・・。 「それに綾、お金欲しいんでしょ?」 「・・・。」
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