エピソード1

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「お前以外に誰がいる?」 「ケンカ売ってんの?」 「そう望むんなら、いくらでも売ってやるよ。」 「上等じゃん。」 私は瑞貴の胸倉を掴んだ。 「ここでいいのか?」 私に掴み掛かられても瑞貴は表情一つ変えようとしない。 いつもと同じ余裕の表情。 それが余計にムカつく・・・。 瑞貴は私がここで殴れない事を知っている。 知っていて私を挑発しているんだ。 このグループでの決まりがあるから。 居場所がなくてここに集まる私達にとって仲間は家族同然の存在。 だから、裏切りやグループ内部でのケンカや殴り合いは厳禁。 もし、その決まりを破れば二度と繁華街に来る事は出来なくなる。
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