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法律も守れない私達が唯一守る決まり事。
その決まりだけは絶対。
何があっても破る訳にはいかない。
私は瑞貴の服から手を離した。
その手を掴んだ瑞貴が私の耳元で囁いた。
「殴りてぇーならいくらでも殴らせてやるよ。でも、場所を変えてからだ。」
瑞貴は場所を変えて話が終わるまで私を帰らせるつもりは無いらしい。
なにも答えず瑞貴の顔を見据える私を鼻で笑うと顔だけ後ろを振り返った。
その瞬間、瑞貴の手を振り払おうとしたけど、しっかりと掴まれている手は私の手首から離れる事は無かった。
「ちょっと出てくる。なんかあったら連絡してくれ。」
近くにいた男の子に瑞貴が声を掛けると、その子は、頷いて右手を振った。
「行くぞ。」
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