エピソード1

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◆◆◆◆◆ 「綾、ビール取ってくれ。」 広い部屋に大きなベッドと大きなテレビ。 そして、ビールとミネラルウォーターしか入っていない小さな冷蔵庫。 テーブルの上にはテレビのリモコンと瑞貴がさっきまで身に着けていた時計と指輪とブレスが置いてある。 何度も来た事のある瑞貴の部屋。 2週間前に私はここで処女を捨てた。 瑞貴にあげたんじゃなくて、私が捨てたくて捨てたんだ。 フローリングの床に直接腰を下ろした瑞貴が、ベッドに腰を下ろそうとした私に声を掛けた。 「自分で取れば?」 私は、アンタの彼女でも嫁でもないんだよ!! 「あ?お前は飲まねぇーんだな?」
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