番外編 温もり

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俺はこいつを起こす事が出来なかった。 結局、この時間までずっと・・・。 弱い自分に嫌気がさす。 そんな事をしても結局困るのはこいつじゃねぇーか。 もう一人の俺がそう囁く。 ・・別に俺はこいつを困らせたいわけじゃない。 弱い自分を振り切るように俺は頬にキスを落とした。 唇に柔らかくて温かい感触を感じ、俺はゆっくりと唇を離した。 「・・綾、ずっと俺の傍にいろよ・・・。」 俺の小さな声が、眠っている綾に届く事はない。 ・・これから先もずっと・・・。
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