キスを下さい。

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おまけ 次の日、俺は熱も下がって元気になった鎖介と一緒に学校へ行った。 教室に手を繋いで入った俺達へ、あの時の喧嘩を見ていた桜ちゃんが駆け寄る。 鎖介は笑みを浮かべて桜ちゃんに繋いだ手を見せた。 「復活。笑」 「本当に?良かったゎ。心配してたんだからね、私。」 にっこりと笑った桜ちゃんに釣られて俺も笑う。 桜ちゃんは鎖介を見て俺を見ると、溜息を吐いた。 「全く世話が焼けるんだから。成斗?アンタが鎖介君と喧嘩して『別れてやる』なんて言った後、鎖介君ったら魂抜けてたのょ?」 「魂?」 聞き返した俺に桜ちゃんは頷いた。 「そう。全く動かなくて、屍になってたんだから。しかも次の日に鎖介君もアンタも学校休んで…ビックリしたゎよ。」 「ごめんってばょ。俺泣き疲れて頭痛かったから…。」 桜ちゃんに謝りながら、そう言えばどうして鎖介が急に風邪を引いたのか疑問に思った。 鎖介は一度風邪を引くと治り難いけど、その分滅多に風邪は引かない。 此所最近雨は降ってないし…。 「ねぇ鎖介?何で風邪引いちゃったの?」 俺より背が高い鎖介の顔を見上げて訊いた俺に、鎖介は苦笑いを浮かべた。 益々知りたくなって問い詰める。 鎖介はそんな俺に躊躇った後、ぽつりと呟いた。 「…川に……。」 「川?」 「川に落ちた。」 川に落ちた? 鎖介が?何で!? 普段の鎖介からは想像も付かない言葉に大量の疑問符が浮かぶ。 桜ちゃんもぽかんとしていた。 「何で落ちたの?」 「知らねぇって…。何か本当抜け殻になっててさ、気が付いたら川に落ちてたんだょ。それで帰って風呂に入ったけど、夜中迄ずっとお湯に浸かってたから湯が冷めて…殆ど水に浸かりっぱなしだったつーか……。」 そこ迄一気に言うと鎖介は耳を紅くしてそっぽを向いた。 つまり、鎖介が風邪を引いた原因って俺? 俺は吹き出すと鎖介に抱き付いた。 鎖介が風邪を引いた原因を聞いた桜ちゃんも笑っている。 「あははっ!鎖介君超ウケるんだけどそれ!!笑」 「煩せぇ、笑うな!兄さんにも散々笑われたって言うのに。///#」 「鎖介可愛い。俺がよしよししてあげるねっv笑」 鎖介の頭を撫でてあげながら、本当に鎖介が何だか可愛くて笑う。 鎖介が川に落ちた所、見たかったな。 俺は肩に頭を乗せて甘える鎖介に、その言葉を内に秘めてぎゅっと鎖介を抱き締めた。 ―end――…
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