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その内そわそわし始めた鎖介に煽られて、眉間に皺を寄せる。
「何がヤバイの?」
「だってマジビックリしたって。あんな美人とは思わなかった。///」
「美人…?何所が?#」
確かに俺もちょっと綺麗だと思ったけど。
「美人だろ?お前知らねぇのあの人?今凄ぇ有名なモデルの渡雷鳴じゃん。マジ綺麗。」
「誰それ?俺ってばそんな人聞いた事ない。#」
「お前最近受験勉強のし過ぎでテレビ見てないからだろ。」
その一言で俺の頭に一気に血が昇る。
受験勉強のし過ぎって、俺は鎖介と一緒の大学に行きたいから頑張ってるのに!
「そうそう、今度始まるドラマの主人公やるらしいぜ。確かその主人公の名前はライトニング…だったっけ?」
「そんな事今一々調べなくていいから!!#」
携帯を出してカチカチと鈕を押す鎖介から携帯を取り上げる。
俺は携帯の電源を切って返した。
俺の行動に小首を傾げる鎖介から視線を反らしてそっぽを向く。
「お前何怒ってんの?」
「別に。」
「怒ってんじゃん。」
「怒ってないってば!!#」
鎖介の手を取って先に歩いて行く俺に、鎖介は益々訳が分からなくなったのか、何度も俺に声を掛ける。
俺はそんな鎖介を無視して近くのファミレスに入った。
ご飯を食べて少し落ち着いた俺は、モデルの事を忘れて鎖介と買い物に向かった。
翌日、4時間目の授業が終わり昼休みが始まって、俺は鎖介と一緒に教室でお弁当を食べていた。
毎朝鎖介の為に頑張って作ってるお弁当。
クラスメイトはそんな俺と鎖介の関係を知っているから、今更って感じ。
「鎖介美味しい?」
「美味い。」
ニコニコと昨日の事等まるでなかった様にお弁当を食べて居ると、近くで昼食を取る女子が雑誌を出して楽しそうに話している声が聞こえた。
「やっぱり綺麗ょね。私達と同じ年なんて信じられないゎ。」
「本当憧れるゎね!」
何の雑誌かと、クラスメイトを見る俺に鎖介も視線を向ける。
鎖介はあっと声を出すとその中心で雑誌を見る桜ちゃんの元に行った。
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