59人が本棚に入れています
本棚に追加
鎖介の目付きが変わり、鋭い目で睨まれる。
本気だ。
鎖介のこんな目は長年の付き合いで見た事はない。
「何しやがる…?#」
「テメェの言葉を思い返せってばょ!『勉強のし過ぎ』だとか『くだらない』とか…お前のしてる事の方がくだらないってばょ!!#」
「あぁ、そうかょ。悪かったな。お前のCRISISとか言う趣味の方がくだらないと思うけどな。#」
「それと此とは話が別だってばょ!!#」
「同じじゃねぇか!お前だってソイツ等の事散々俺に話しまくりやがって!他の男の話なんか聞きたくねぇんだょ!!#」
「だったらお前こそ女の話すんじゃねぇよ!そんなに女が良いなら…女の所行けば良いだろ!!#」
「誰もそんな事言ってねぇだろウスラトンカチが!!#」
「煩い煩い煩いっ!!#」
俺は思い切り鎖介を突き飛ばした。
瞳に滲んだ涙を拭って震える唇を咬み締める。
「鎖介の莫迦!莫迦莫迦っ!大っ嫌い…!!///#」
「莫迦はお前だろうが!何時になくムキになりやがって!!#」
「煩い!鎖介の莫迦!!大嫌いだってばょ!別れてやる!!///#」
俺は鎖介に向かってそう泣き叫ぶと女の子達が呼ぶのも無視して教室を飛び出した。
頭の中がぐちゃぐちゃで、もう自分が何をしてるのかも、何を言ったのかも分からなかった。
その儘家に帰った俺は、一晩中ずっと泣き続けた。
ベッドの上で声が嗄れる迄泣いて…
泣き疲れて何時の間にか寝てしまっていて。
朝目が覚めて、鎖介に合わせる顔がなかった。
鎖介と喧嘩した内容がくだらな過ぎて、鎖介に酷い言葉を沢山言って……もう俺達の関係は終わりだと思った。
あんなに酷い喧嘩はした事がない。
鎖介に今更どう謝れば良いかも分からない。
だけど…
俺は未だ鎖介の事が大好きだ。
喧嘩した位で別れたくない。
鎖介は俺が好きなアイドルの事を認めて、何時も話を聞いてくれた。
それなのに、俺はなんて勝手な奴なんだろう?
俺もちゃんと鎖介の話を聞いてあげなきゃいけないのに。
鎖介だって好きな芸能人が居るに決まってる。
最初のコメントを投稿しよう!