キスを下さい。

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台所を借りて簡単に卵粥を作った俺は、トレーを持って2階に上がった。 滅茶苦茶ドキドキしながら鎖介の部屋をノックして扉を開ける。 やっぱり鎖介はベッドの上で布団にくるまって眠っていた。 「………。」 鎖介の部屋はこんなに散らかっていただろうか? 制服が床に散乱し、机の上も参考書で埋まっている。 正直、俺の机より悲惨。 俺はテーブルの上にトレーを置いて、枕元にある鎖介の蒼い携帯を取った。 眠っている鎖介を見て、画面を開く。 一瞬にして涙が込み上げ、ボロボロと溢れ始めた。 鎖介の待受は変わってない。 鎖介も未だ俺を好きだと思ってくれてるの? 「鎖介……っ。///」 ベッドに突っ伏せて啜り泣く。 愛しい、好き、大好き。 愛してる。 我儘な恋人でごめんなさい。 また貴方の優しいキスを俺に下さい。 鎖介の頬に手を当てると、未だ熱があるのか、少し熱かった。 その儘顔を寄せて、熱のある唇へ口付ける。 触れるだけのキスを落として鎖介を見つめた。 「好き…、鎖介。大好き。大嫌いなんて言ってごめんなさい…大好きだょ……。///」 「…俺も、愛してる。成斗。」 鎖介の唇が動いて、ゆっくりと瞼が上がった。 至近距離でビックリして、慌てて離れ様とした俺の手首を掴まれる。 「お前何時から起きて…!?///ι」 「成斗がキスしてくれた時。」 熱の所為か、未だ少しだるそうな鎖介が俺を真っ直ぐ見つめて来た。 何所か切なそうな漆黒の瞳。 「成斗…好きだ。」 「……うん。///」 「俺、お前に『別れる』なんて言われた時……心臓が止まるかと思った。何やってんだ俺って…お前を追い掛けたかったけど、脚が動かなかった。」 「…ごめんね。///」 また涙が落ちた時、鎖介の熱い手が俺の涙を拭う。 俺はこんなにも鎖介を不安にさせてたんだって思うと、申し訳なくて胸が一杯になった。 「成斗、俺にはお前しか居ねぇんだょ……頼むから、ずっと俺の傍に居てくれ。一人に……しないでくれっ!俺の傍に居ろょ!!」 初めて鎖介が俺に弱音を吐いて、俺をベッドの上に引っ張り上げると擦り付いた。
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