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「二人とも、若いですね」
「それはもちろん。五十年も前ですから」
瞬の口からは、自然と笑顔がこぼれた。
しかし、瞬は写真をみて一つ気になることがあった。
「高須さん、一つお聞きしてもいいですか?」
「なんでしょう」
「この写真の高須さんの右手はなぜ写ってないんです?」
不自然な点だった。写真に写る高須の右手が、ワイシャツの袖くちから見えていない。腕だけが垂れ下がっている。
「あぁ、気付かれましたか」
「何かあるんですか?」
「いえ、ないんですよ、右手が」
「えっ」
背筋がゾクリとして、瞬は固まってしまった。
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