第二章~過去~ (1)

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すると、沖田さんは私をぐいっとひっぱり、しっかりとだきしめた。 「はい。捕まえた。」 私は顔を赤くした。驚いたのは私だけじゃなかった。 レイスと土方さんは私以上に驚いている。レイスに至っては沖田さんを睨み付けていて、土方さんは苦笑い。 「沖田といったな。楊を離せ。」 「まぁ、そんなに怖い顔しないでよ。だいたい、君たちが異国の服を着てうろつこうとしてるからいけないんだよ。」 「よくやった、総司。連れて帰るぞ。」 やめてよ! 意識がとびそうだからはやくはなして! もがこうとするけど、力が全くはいらない。 私は沖田さんに身を任せるしかなかった。 レイスもうかつに手を出せないようだ。 そしてため息をついてゆっくりと口をひらいた。 「…わかった。従おう。だが、俺もついていかせてもらう。楊からは離れられないからな。」 土方さんと沖田さんはくすりと笑い、歩き出した。 私は逃げられないように沖田さんに抱き抱えられた。
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