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すると、沖田さんは私をぐいっとひっぱり、しっかりとだきしめた。
「はい。捕まえた。」
私は顔を赤くした。驚いたのは私だけじゃなかった。
レイスと土方さんは私以上に驚いている。レイスに至っては沖田さんを睨み付けていて、土方さんは苦笑い。
「沖田といったな。楊を離せ。」
「まぁ、そんなに怖い顔しないでよ。だいたい、君たちが異国の服を着てうろつこうとしてるからいけないんだよ。」
「よくやった、総司。連れて帰るぞ。」
やめてよ!
意識がとびそうだからはやくはなして!
もがこうとするけど、力が全くはいらない。
私は沖田さんに身を任せるしかなかった。
レイスもうかつに手を出せないようだ。
そしてため息をついてゆっくりと口をひらいた。
「…わかった。従おう。だが、俺もついていかせてもらう。楊からは離れられないからな。」
土方さんと沖田さんはくすりと笑い、歩き出した。
私は逃げられないように沖田さんに抱き抱えられた。
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