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レイスは私の隣にすわり、耳打ちした。
「大丈夫か?」
「うん、びっくりしただけ。どうしたの?」
レイスに聞き返したはずなんだけど、反対側から声がした。
「それはこっちが聞きたいよ。さっきからうつむいてばかりだけど、どっか具合でも悪い?」
…地獄耳!?
確かに小さい声で話していた筈だが、どうやら聞こえていたらしい。
驚いて顔をあげると、沖田さんがにこにこしながら土方さんの陰から顔をだしていた。
土方さんも私の顔を見下ろしていた。
その時の土方さんは何故か私を心配しているような表情だった。
「どうした?具合悪いか?」
「い…いえ、大丈夫です…。」「そう?ま、いいや。はい、お茶。君の用心棒さんにも。」
沖田さんはお茶を二人分差し出した。
私はお茶を受け取り、まじまじとみつめた。
普段、私はハーブティーをのむ。緑茶は飲んだことがないので初体験である。
隣をみると、沖田さんと土方さんは楽しそうに喋りながら飲んでいる。レイスは静かに飲んでいた。
私もおそるおそる口をつけた。
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