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―――二週間後 「う…ん」 ゆっくりと目を開けると、見慣れない天井が映る。 どうやら誰かの家らしいが、私の記憶は、茶屋でたおれたところで途切れているため、どうしてここにいるかわからない。 私はゆっくりと身体を起こし、額に手をあててみる。 まだ少し熱があるようだが、だいぶ楽になってはいる。 …とはいえ、長い時間起きておくことはできない。 「自分のことながら、よくわからない…」 おかしなことに、私は自分の身体のことがよくわからない。 だだ、わかることは自分の血に毒をもっているため、少量の出血でも貧血状態になるという特異体質であることくらいだ。 私の血をあびて助かった者は一人もいない。 そのかわり、自分にも大ダメージを与える。 そして、これも最近ケルベロスから聞いた話だが、自分に膨大な負荷がかかると長い時間眠りっぱなしになる。…らしい。 こればっかりは自覚がないものだから人に聞くしかない。 「…まさか、私また…」 大きくため息をついたとき、廊下から声がしたのと同時に襖がひらいた。 「はいりますよ。」 また見慣れない人がいる…。 その人は私の顔を見るなり、にっこりと笑って私のそばに座った。 「よかった。ようやくお目覚めですか。」 「えっ…」 「貴女は二週間も眠りっぱなしだったので心配しましたよ。土方くんが貴方を連れてきたときは驚きました。」 …やっぱり。しかも二週間もねていたなんて…。 予想は当たっていたらしい。 これも、特異体質のせいだろうか。 あと、ここはどこ?貴方はだれ? 「あぁ、申し遅れました。私は新撰組の総長の山南と申します。そしてここは新撰組の屯所です。」 山南さんは私の考えていることを見透したようにいった。 そして粥の入った器を差し出した。 「ゆっくりでいいので食べてください。」 「えっ…と…」 まだ熱がひいていないせいか、身体が思うように動かない。 困った顔をすると、山南さんは私の額に手をあてた。
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