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広間につくと、皆待ちわびたように声をかけた。
「やっときたか。腹減ったぞ。」
「さぁ、皆揃ったし、いただくとするか。」
「いただきます!」
近藤さんの一声でみんながっつきはじめた。
流石男!
ものすごくいい食いっぷり!
「へっ!いただき!」
「あ!!新八っつぁん、それ俺の!」
「体がでかいからな。そんだけ食わねぇとな!」
「じゃぁ、俺はその倍食わねぇとな!!」
取り合いが始まった…。
なんとも子供のような光景…。
「…どうした?」
斎藤さんが、まったく食事に手をつけてない私を心配していた。斎藤さんは、部屋に戻るときに原田さんに紹介してもらっていた。
「あ…いえ、家じゃ二人でしか食べないからこういときどうしたらいいのかな…て。」
「そうか。そんなに気をはる必要はない。これはいつものことだ。…それと、自分の食事は自分で守れ。」
「は…はい。」
なんか、すごい…
言い表すことは難しいけど、すごい。
ようやく、私も手をつけ始めた。
実を言うと、和食(というらしい)を食べるのは初めて。
私もケルベロスも和食を作れないため、ほとんど洋食か中華をたべる。
「わぁ。おいしい。」
あまりの美味しさに口元が緩んだ。
それを見た斎藤さんと井上さんも笑顔になる。
「喜んでくれてよかった。」
「…あぁ。」
すごくおいしい。
そう思えるのは、みんなで食べるからだろうか…
そして、こんなに楽しいのも思いっきり笑ったのも初めてかもしれない。
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