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夕食後、私は後片付けを手伝うために炊事場にむかった。
もちろん、場所がわからないので斎藤さんと一緒。
「あんたはゆっくりしていてよいのだが…」
「いいえ、おいてもらっている身なので。」
「そうか…。」
あれこれ話しているうちに炊事場へ到着。
斎藤さんの指示のもと、ちゃっちゃと片付けを済ませることができた。
斎藤さんは柔らかい笑顔でお礼をいってくれた。
「ありがとう。おかげで早く終わらせることができた。」
「はい。」
お礼を言われるとこんなにも暖かくて、嬉しい気持ちになるんだ…。
私は、つい表情を緩めてしまった。
普段は自分の執事以外信用していないわけだから、人前で表情をつくることはしない。
今回は帰る手段も見つけなければならない。
ここで油を売っている場合ではないのだけど…
「…そういえば、副長があんたを呼んでいた。すぐに広間へむかってくれ。」
「…?はい。わかりました。」
斎藤さんは一言そう言うと炊事場をでていった。
なんで副長さんに呼ばれてるんだろ…
てか、副長て誰?
いくつか疑問はでてきたが、とりあえず広間へいってみることにした。
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