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屯所に帰った私達は、現状を報告するために土方さんの部屋にいた。
やっぱり土方さんはけっこう迫力がある…。
「そうか…。わかった。ご苦労だったな。休んでこい。」
平助くんは、今日もやり遂げた!という表情で部屋をあとにした。
私も部屋へ戻ろうとしたとき、土方さんに呼び戻された。
「帰る手だては見つかったか?」
「いいえ…。」
「お前…、元の時代に帰りたい…か?」
「えっ…」
次の瞬間、私は土方さんに抱き締められていた。
私の顔は赤くなり、胸の鼓動が速くなっていく。
それよりも、胸のおくがモヤモヤし始めた。
なんだろう…この気持ちは…
考えれば考えるほどわからなくなってくる。
「はなして!」
私はいつの間にか、土方さんを突き飛ばしていた。
「す…すみません。」
「いや、大丈夫だ。悪かった。」
どうしてだろう…
胸の鼓動がおさまらない…
土方さんの顔も赤い。
だけど、目はしっかりとわたしをとらえていた。
心臓が破裂しそう…
「し…失礼します!」
私は耐えきれず、土方さんの部屋を飛び出した。
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