第三章~現代と過去を結ぶ鍵~

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あぁ、もうだめだ… あたし廊下で頭をぶつけちゃうよ…! おそるおそる目を開けてみると… 「あれ…?痛くない…?」 すれすれで止まっている。 私は頭をぶつけずにすんだのだ。 しかし…何故? 「大丈夫か?」 またもや頭の上で声がする。 声のした方を向いてみると、レイスが私の体を受け止めてくれていた。 「レイス…ありがとう。」 「礼には及ばない。主に怪我をさせては用心棒の意味がない。」 なんと忠実な用心棒(武器)なんだろう。 レイスもシェイドも昔から私のために力を貸してくれた。 物凄く感謝してる。 この二人がいなかったら、今の私はいなかっただろう。 故に、二人の存在は私にとって大きなものであり、どちらか片方がいなくなってもだめなのである。 だからこそ、早いとこシェイドを見つけなければならない。 「さてっ…と、行きますか。先ずは広間に行って情報を聞き出さないと…」 「あぁ。その前にひとつ聞いていいか?」 「…?」 「お前、土方に恋心を抱いているだろう?」 あまりにも唐突過ぎる質問に、私は言葉を詰まらせた。 正直、レイスが言うことは事実なのかもしれない。 土方さんといると今までにない感情があふれてくるのだ。 「ま…まさか、私がそんなこと…」 「お前はすぐに顔にでるからな。」 レイスの一言で、私は言葉を失った。 まさか思っていることが顔に出ているとは… 私は何も答えず部屋をでた。
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