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「おい、何をしているんだ?」
突然声をかけられ、驚いて振り返った。
そこには土方さんが、まさに鬼のような表情でたっていた。
「お前、さっきの話を聞いたのか?」
「ごめんなさい。私が無くしたものを見つける手がかりがあると思って…。」
「お前、まさか…」
土方さんはもう私が何を言いたいのかわかったらしい。
しかし、土方さんは私が何か言おうとするのを遮った。
「だめだ!たとえ探し物をしようが危険な場所には連れていけねぇ。」
「!?」
私は出鼻をくじかれた。
まさかそこまでお見通しだなんて…
それでも諦めるような私ではない。
これまでに必死で人に頼み事をしただろうか?
というくらい必死にお願いした。
「お願いします!一時でも早く見つけたいんです!」
「だめだ!命がかかってるんだぞ!」
「毎日命かけてます!お願いします!どうしても私がいかないとダメなんです!!」
「まだわからねぇのか!遊びじゃねぇんだぞ!」
廊下で男と女の言い合いが始まった。
土方さんは私の事を想って言ってくれてるんだろうけど、私には自分の手でムラマサを取り戻すという意地があった。
なので、はい、そうですか。といってあっさり退くわけにはいかなかった。
「遊びじゃないことくらい承知済みです!」
「ダメなもんはダメだ!お前を危険に巻き込むわけにはいかない!」
言い合いはよりいっそう激しさを増していく。
ついには大声を張り上げてしまった。
しかし、土方さんの言い分は変わらない。
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