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海に行くと、 言ったところで。 俺は未だにそこへ行けずにいた。 それは、時間であったり 最近、突如沸き起こる 無気力だったり 夜が長いんだ。 たった秒針一回りが 気の遠くなる長さで。 「狂いそう」 部屋中、時計の音がする。 針は戻らない。 決して、戻らない。 いくら巻き戻しても、 無関係に瞬間は過ぎてゆく。 限界なんだと、 自分で判っていた。 だから俺は必要な仕事をこなして 少し長めの休暇を貰っていた。 休業に近い、長めの休み。 彼に会えなくなってすぐ申請した すぐには都合のつかない長さの。 迷惑を掛けるけど、 構っていられないから。 でも誰も咎めなかった。 正確には、 メンバーが止めなかった。 そうしたらいい。 結局、 緋路さんのその一言が決めた。 .
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