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『俺、寂しい。』
海の底にあるはずのケータイに
届くわけがないメールを送った。
海の底にいるはずのあなたに
伝わるわけのない想いを送った。
そうすることで少し、俺は
もがくのを止めることが出来た。
非現実な行為が
合理的な理屈でねじ伏せられて。
簡単に破壊される期待感が
バラバラに散らばって塵みたいに
悲しいね。
そうしてるのが、一番幸せだ。
泣くのにも相応の理由が要る。
安心して、俺は泣いた。
予定された悲しみの中で。
…でも、
覚悟していた送信エラーは
いくら待っても来なかった。
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