11/14
前へ
/93ページ
次へ
暗闇とは…とかく、存在していて つまりは光がないということだ。 俺の光はあなただった。 鮮やかなセカイは俺の視界になく 闇に馴れていく目は 徐々に彩りを喪い始めていた。 綺麗だと感じ取る器官が 死んでしまったんだろう。 うすら鈍い指先が ツマラナイ曲を奏でる。 あなたの歌声が聴きたいよ。 海から帰って数日、 俺は何にも出来なかった。 食べ物を口にしても喉を通らず、 眠っても、すぐ目が覚める。 何かが切れたんだ。 俺と一宮也を繋ぐ何かが。 でも、この世界は どんな生き物に成り代わっても 生きてはゆけない。 光がないから。 .
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!

474人が本棚に入れています
本棚に追加