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「もう、2ヶ月か…」 呟いた声がしたけど、 何が?なんて…誰も返さない。 月命日が巡るのは 日々が消費されているから。 墓参りなんて行けないけど、 俺たちはそれぞれ花を買って 自室に飾っているみたいだ。 それはつい最近知ったこと。 「海に…」 離れた意識が口を開く。 「海に行きたい」 あぁ…そうだ。 海に行きたい。 あの人が飲み込まれた、海へ。 「…やだ…行きたくないよ」 泣きそうな声がして、 俺の傍らの人は 首を横に振っていた。 現場…だから? でも俺は、青が居るから。 .
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