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「あの人は蒼空にいるんだよ」 慰めるように俺の肩をたたく。 そら? 「灰になったのは薬指だけです」 たったあれだけで 蒼空に君が居ると言えるの? ほかのいくつかは あなたかどうかも定かじゃない。 「どうした…?」 「あの人は蒼空にいないよ」 「海にいるって?」 ずっと黙ってた彼が言った。 「…そうです…だから」 会わなきゃ。 「海に参るの?」 「それは死者にすることです」 「あの人は生きてる、探します」 .
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