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「今日は二人とも入学式だったね」
「はい」
静かに答える柴崎を前に翔は席につく。
今日は翔と柴崎が、これから通うことになる公立高校の入学式。
二人がこの寺に下宿しているのも、高校に通うためだ。
柴崎の理由は分からないが、翔は同じ会社で働く両親が今年から仲良く海外に異動となったからである。
海外に行きたい気持ちはあったが、高校が決まって直ぐのことだったから、こっちに残ることにした。
だが、翔の両親は翔を日本に一人にするのは心配だと言い、翔は地元の知り合いである住職の寺に下宿させられた訳だ。
翔が茶碗を手にした頃には住職は食べ終わり、
「ごちそうさま。二人で気をつけて行きなさいよ」
「ぐぶっ」
住職の一言に翔は口に入れたご飯を、思わず吹き出しそうになった。
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