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翔は水を飲みながら胸を叩き、
「『二人で』ですか?」
「当たり前じゃないかい? 凛ちゃんは女の子だよ」
仰せの通り柴崎は女の子。それも郡を抜いた美少女だ。
しかし大丈夫か? こんな美少女と歩けるのは嬉しい。人生最大の幸運とも言える。だが気の強そうな柴崎のこと、きっと――
「分かりました。住職様が心配でしたらそうしましょう」
柴崎は至って普通に、サラリと肯定してみせた。なんの躊躇いもないようだった。
「ほわっ!?」
見事に意表を突かれた翔は、素っ頓狂な声をあげる。
それに柴崎は何事かと目を細めているし、住職も訝しげな目で翔を見てくる。
「もしかして嫌なのかい?」
「いえ、まさか。喜んで柴崎さんとご一緒させてもらいます」
「よろしい」
住職は表情を険しいものから微笑みに変えると袈裟を整え、居間を出て行った。
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