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「おはよう、凛ちゃん。……美味しいよ、この味噌汁」
「ありがとうございます」
彼女は丁寧に礼を述べると、箸を手にとった。
彼女の名前は柴崎凛。翔と同じくこの寺に下宿している。
柴崎は手に茶碗を持ち、
「……台所にあるよ」
実に面倒臭そうに言ってくれた。……そう聞こえるだけかもしれないが。
これはいじめではなかろうか?
そうは思っても柴崎はちゃんと朝飯を作っていてくれる訳で、翔は文句を言えない。
「ありがとう、柴崎さん」
「……いいのよ」
彼女は少し間を開けてポツンと呟く。
素っ気ないが、悪い気はしない。むしろ、彼女との会話はかなり少ないから嬉しい位だった。
翔は軽く笑い、台所に行って自分の朝飯を運ぶ。
翔が、居間に戻ると住職と柴崎が話をしていた。
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