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〇秋山
私は裏技本に書かれた最も隠れるのに、最適な場所に来ている。保健準備室、ここは身体測定以外で特に用途のない場所である。
ここなら人は誰もこないだろう。
私は裏技本を書いた自分を、天才だと思いつつしゃがみチャイムが鳴るのを待つ。
「やはりここにいたか、変態」
私は黒板を爪で引っ掻いたときの音ぐらい嫌いな音を耳にする。
私は音のするほうを向くとそこには天敵の変態が立っていた。変態はドワの前に立っていた。
「何でここに!?」
私の問いに変態はふんっ、と鼻で笑った後答え始めた。
「クラスメートの過半数に追い掛けられて、逃げ切るにはどこか一カ所に隠れるしかない。走り回れば見つかるからな。そしてこの学校で隠れるのに適している場所の近くには、大体が開かずの扉がある。基本、開かずの扉は人気のない場所にあるものだからな。」
変態は一呼吸おいたあとまた喋りだす。
「そこで俺は、開かずの扉の中から、いくつかの開かずの間に訪れてみた。すると四つ目のここに、変態がいた訳だ」
変態に変態と言われた私は一つの疑問が浮かんだ。
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