4人が本棚に入れています
本棚に追加
前の扉からも誰も出れていなかった。扉の前には、巨漢の眼鏡をかけた男が立ち塞がっていた。
「どけ、マル!!」
「うるさいでしゅ、これもゴールドあげぱんのためなんでしゅ」
彼は撲相丸男(ぼくそうまるお)、相撲部のエースである。手に入れたゴールドあげぱんの四分の一を渡す、その約束での前に立ち塞がっているのだ。
あのデブさでは到底素早く走れるわけがない、そんな彼がゴールドあげぱんを手に入れるには誰かとの協力が不可欠だ
そこを利用した私は天才としか言いようがない。
私は扉の前を戯れる平民どもを確認すると、窓に向かった。窓からは縄が一本地面に垂れている。
運動会の大縄跳びに使う代物だ。無論私は無断で借りてきたのだ。
私は縄を引っ張りしっかり縛られてることを確認する
そして縄の縛りが完璧なのを確認すると私は窓から飛び降り、消防士のように壁を蹴り降りていく。
普通の女の子には難しいかもしれない。しかし私は出来る。食べ物への欲は何事をもうわまるのだ。
最初のコメントを投稿しよう!