雨の日

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詩織の指がキーを打っていく。 (…きよら、藤川カノジョいるんじゃん!あいつ性格悪くなった!いま最悪なんだけど。…) 2人のほうは見ないでケータイ画面に集中する詩織。 隣でなにか話してウケている。 (…最悪?…) きよらは文面からあまり感心なさそう。 傘の雨つゆが詩織の黒髪に流れる。 (…そう!さいあく!藤川、後輩のカノジョと歩いてる。それも隣だよ!アタシにあてつけてるみたい。偶然会ったみたいだけど、それだけならもっと気ぃつかうでしょ?だからありえない!サイアク…) 並んで雨の夜を歩く3人。 (…いまどこ?あたしバイト終わって帰る途中なんだけど。詩織助けにそっち行くよ。だからどの辺?…) 詩織の表情が明るくなる。場所をメールする。 (藤川のバカ♪きよらとこらしめてやる) それからまもなく現れた4つ目の傘…。 「おお藤川ーっ!」 つぶらな目を挑戦的に光らせて、前から駆け寄ってきたきよら。 「き、城崎さん…」 なぜかかのんの手をほどく藤川。 「あれー!その子なに?カノジョ?ねえねえ」 きよらの攻撃が始まった。 (アタシも協力しよw)
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