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詩織がママとテーブルで夕食を食べてる。
「今日きよらと行ってきたよ、渋谷」
ママの買ってきたコンビニ弁当に自分の箸を入れながら言う。
「そう。…雨降ったでしょ。大丈夫だった?」
「うん。…きよら楽しそうだったし」
ママが頷く。
「パパさぁ…」
「詩織、そんなことより進路は?考えてる?」
コンビニ弁当に自分の箸を入れながらいきなり訊くママ。
「大学か専門か迷ってる…」
詩織が答えてる途中で、ママのケータイが鳴る。
「はい、あ、藤川さん。…そうなの?えっ?いくらで落札?…やったじゃん、コツ教えてよー」
ママを見ながら無感動に食事を続ける詩織。
いつものことだった。
今度は詩織の着信。
(メール…きよらからだ…)
返信メールを左手で打ちながら弁当に箸をつつく。
ママはママで、ケータイで話しながら食事を続ける。
べつに普通の光景だった。
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