全貌

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大通りから家の前の細い道に入った時。 家の近くに人が立っていた。 またか。 単にそう思った。 すでに不思議には思わなくなっていた。 しかし次の瞬間、その顔を見るなり俺は凍りついた。 ありえない。 こんなこと、あるはずがない。 自分に言い聞かせた。 自己暗示など、到底意味を成すはずもないと分かっていながら。 目の前の現実ともつかない事態から逃れようとしていた。 しかし確かに、しっかりとこの目で紛れも無い事実を見つめている。
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