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『今、外出られるかな?』
菜穂子からの、突然のメール。予備校の休み時間、15分だけならと返事をした。
『じゃあ、駅前で待ってるから。』
たった1行だけの、返信。俺は薄手の黒いダウンを羽織って、足早に外へと出た。
もう3月だというのに、相変わらず外は寒い。どんよりとした空には太陽なんて見えるわけもなく、どこか気持ちが晴れない。
白い息を吐きながら走り、駅前まで急ぐ。菜穂子は2つ並んだ3人がけベンチの、一番右隅に座っていた。
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