幼児育成法

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「松本さんは放課後 進路指導室まで来てください。今後のお話がありますので。それでは解散してください」 まだ入学して一週間だというのに、周りはに早速 グループが出来始めていた。 輪に入りたい気持ちを抑え 私は進路指導室へ足を早めた。 そもそも、私はこの[幼児育成法]に幾つか疑問を感じていた。 命の尊さ と言われても、 自分がお腹を痛めて産んだわけでもなければ血の繋がりもない。 そんな子供に、愛しい気持ちも命の尊さも感じないと思う。 レイプや中絶 と言われても、 そういうことする人は成績上位者にはいないと思う。 そして、問題は子供だ。 何らかの理由で 施設に入れられた子供を採用するらしい。 はっきり言ってしまえば、 「実験台」のようなものだ。 若者に理解してほしいが為に 無垢で幼い子供を こんなことに使うだなんて あまりにも失礼過ぎる。 誰も答えてくれやしない私の問を 心の奥にそっとしまい、 進路指導室のドアをノックした。
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