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「貴方は本当に駄目ですねぇ…ほぅら、こんなに怯えて…お可哀想に…ふふふ…」
「ちょちょちょちょっと…!!何何何!?」
「おやおや顔を赤らめたりして…うぶですねぇ…お可愛らしい」
高いような低いような、そんなよろしいお声で変態染みた台詞を吐かないでくださいませ名も知らぬお方よ。
つかホントにこの人誰!?
顔見えないし!!
「貴方誰ですか!?」
「おっとこれは失礼」
するりと腕を解かれて目の前に現れた顔は…
やっば、またイケメンだよこのやろう…!!
薄くて綺麗な金色の長い髪がさらっとなびいてめっちゃ綺麗この人…!
長い前髪に見え隠れするワインレッドの瞳もお美しいです…!
…が、何なんでしょうねこの言い様のない焦燥感は。
怪し過ぎやしませんかねこの瞳が描く弧。
「自己紹介しときましょうか。私はクレイドと申します。貴女は確か…」
「有栖川凛和です…!…あの、クレイドさん…」
「はい?」
にこっと綺麗な微笑みを見せるのはいいですけどね、クレイドさん。
「この腕は何ですか?」
私の腰を引き寄せんとするこの腕は…!!
「あぁこれですか?ふふ、先程貴女を抱いた時大変心地よかったもので今一度、と思いまして」
さーっと血の気が引きますよクレイドさん…
貴方さらっと何言ってるんですかこのド変態!!
お前綺麗な顔して世の女を結構な数敵に回しただろ絶対!!
…とか思ってたら急にクレイドさんが私の頭を抱き締め、さっと何かを避けた。
驚いて顔を上げると、そこには今までの言動からは全く予想できないくらい険しい顔をしたアルシュさんがいた。
…振った後らしき剣を片手に。
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