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「え…?」
何?
何が起きたの?
アルシュ…さん…?
「おやおや…お可哀想に…怯えていますね?くくく…いけませんねぇ白うさぎ殿は…」
「黙れ。貴様こそその汚らわしい行為をやめろ。その子は私達のアリスかもしれないのだぞ」
何?どうして剣なんか持ってるの?
「貴女はそんなに震えなくて大丈夫ですよ。あの白うさぎは、私が注意しますから」
私の頭を撫でてそう言うクレイドさんは、袖口から短剣を取り出し構える。
「三月うさぎは万年発情期か」
三月うさぎ…あぁなるほど!
…って、そうじゃなくて!!
「アルシュさん!?クレイドさん!?」
「万年発情期だなんて…失礼な。私はただ可愛らしいなと思っただけじゃないですか」
「普通ならばその思いだけで留めておくであろう」
「それは貴方に行動力というものがないからではありませんかねぇ?」
いや、今のはアルシュさんの言う通りだと思いますよクレイドさん…
ってアルシュさん!!問答無用で剣振らないでください…!!
「おっと、危ないですよ白うさぎ殿。彼女に当たったらどうするのです?」
「お前が避けなければ当たらない」
………アルシュさんって…案外、そういう人?
「ふふふ、相変わらず理不尽ですねぇ白うさぎ殿は。避けなければ、私が怪我をしてしまいますよ……まぁ」
ぶしゅっと嫌な音がして、紅い飛沫が上がった。
「感覚的には問題ないんですがね」
クレイドさんがアルシュさんの剣を素手で強く握り、ぐっと引っ張ってアルシュさんのバランスを崩す。
「ク、クレイドさん…!!」
「心配いりませんよ」
にこっと笑い私にそう言うクレイドさんの手からはとめどなく血が流れてる。
にもかかわらず、反対の手で短剣を振りかぶる。
心配ないって…
そんな、嫌だよ…!
こんなの、マンガやアニメやゲームの世界だけでいいよ…!
「お、お願いやめて!!」
「っ!」
「!」
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