①幻想入り

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鮮やかな色を放つ球体が、私に殺到する。 体を捻り、ギリギリで避ける。 球体は地面にぶつかると、大きく地面を抉って消えた 危ないなぁ。 まさかいきなり射撃が来るとは思わなかったが、落ち着けば回避は容易かった。 その後も少女から放たれる球体を最小限の動きで避けていく。 このギリギリを避けるスリル……堪らないかも。 いつの間にか、少女は何処からかカードの様なものを取り出していた。 何をするつもりだろうか……。 《ムーンライトレイ》 っ!? 少女の両手から光が伸びて、私に振り下ろされる。 それ自体は簡単に避ける事が出来るものだったが、同時にばら撒かれていた球体が、それを難しいものとしていた。 嗚呼、面倒だ。 《悪喰》 私の手に影が刀として握られる。 細かい球体を払いのけ、少女へと刃を向ける。 後ろに下がって避ける少女の姿を見て、私は笑う。 「伸びろ!」 私の声に従い、長さを伸ばした刀は少女を捉える。 「きゃっ!」 落下して来た少女を影に捕らえさせておく。 ある程度の手加減はしたから打ち身程度で済むだろう。 「私の勝ちだ」
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